iPhone アクセシビリティ系の機能
新しい iPhone 3GSには、アクセシビリティ系の機能が増えました。
音声で電話をかけたりすることができる「音声コントロール」や、画面のコントロールや文章をよみあげてくれる「Voice Over」、弱視の方のための画面ズーム機能やハイコントラスト、あと片方の聴力が弱い方のためのモノオーディオ機能など、かなり多方面にわたった対応です。
この大きさのデバイスで障害者向けのアクセシビリティをここまで実装してくるとは思いませんでした。
もちろんどんなサイズのデバイスでも、障害者の方向けやそれ以外の方のためのアクセシビリティを高める機能は必要です。
ただ、作る側、売る側の立場からみると対応が難しいというのが現状です。
理由としては、まず使用するユーザーが限られるので、実装してもユーザーの増加にはつながらないこと。
そして、アクセシビリティ機能は、システム全体のGUIに影響するため、実装した時の画面コントロールの根本的見直しが必要になり、GUIルールの大幅な見直しと、画面のコントロール部品の作り直しが必要になること。
今回のVoice Overなどを見てみると、タップのイベントの処理の変更や、各コントロールの選択状態なども大きく変わっているので、OSのメジャーバージョンアップでしか見直せないレベルの大幅変更であったんだろうと想像できます。
今回のモノオーディオを除いたアクセシビリティ機能は、すべてMac OSで既に実装されているものですが、Mac OSとiPhone OSでは画面のコントロールの部品も違うし、そもそも画面の操作方法が全然違う(マウスとタッチ操作)ので、GUIルールについてもMac OSのものがそのまま使えるという訳ではなく、iPhoneにあわせて再検討したのではないでしょうか。
携帯電話の実装としてはレベルが高すぎて、iPhoneは「携帯電話」の範疇に含むデバイスではないのではないかと思わせるくらいのシステムの完成度になっていますね。
このアクセシビリティ系機能に限らず、iPhone OS 2.0 から 3.0のバージョンアップでは、派手で「売れる」機能よりも、目立たないところでこっそりとユーザーの満足度を上げていく方向性があったような気がします。
実際にiPhoneをさわっていると、あまり大きく宣伝されていないけど、これは使いやすくなっているな、という変更点がかなり見受けられます。
さっそく新しいVoice Over機能を試してみました。
複数言語に対応して、iPhoneに設定された言語が英語なら英語で、日本語なら日本語で読み上げてくれます。
音声の質がかなりよく、Safari画面などの読み上げもできるので、いろいろな人に使いやすい機能になっているように感じます。
ただし、この機能はまだでたばかりなので、現時点ではちょっと困ったバグがあるようです。
さっき、Voice Overをオンにしてから画面をロックしたら、画面が真っ黒になって何もみえなくなってしまいました。
音をたよりに、設定項目を探し出して、Voice Over機能をオフにするのにまるまる5分間かかってしまいました……。
Voice Over機能は実際には画面が見えない状態で使うので、もしかしたら「画面が見えない状態での操作」を実感させるために、わざと画面が真っ黒なままになる……わけないですね。
きっとそのうちバージョンアップで直るでしょう。
Voice Overで声がでるので、画面が真っ黒でも音だけをたよりに設定項目をかえることは理論上は可能ですが、結構大変です。
設定のなかのどこにVoice Overの項目があるかどうかくらいは覚えていないとつらいですよね。
もし、iPhone 3GSで、Voice Overを設定して画面が見えなくなっちゃった、という人がいたら、こちらの動画で設定項目の位置を確認できます。
