アプリ内広告で利益をだすには

先日六本木ヒルズのGoogleオフィスで開かれたモバイルアプリ向け広告 AdMob導入 無料セミナーに行ってきました。

まずはGoogleのスタッフからAdMob導入についての初歩的な説明。 そのあとTouch The Numbersを出しているテクノードの水野和寛さんが実際のAdMob成功事例を説明してくださったんですが、とても参考になったのでまとめてみました。

ユーザーのアクティブ率が重要

テクノードでは、今18個のiPhoneアプリ、2個のAndroidアプリを出しているそうです。 そのうち広告+無料モデルをとっているアプリと有料アプリの割合は9:1。ほとんどが広告+無料モデルでリリースをしています。

有料アプリだとダウンロード数に応じて売り上げがさがっていってしまいますが、無料+広告モデルであれば、ユーザーがアクティブであれば広告収入がキープされ、売り上げがおちません。(ちなみに、2/9の一日のTouch The Numbersのアクティブユーザーは11万人だそうです。)

ユーザーのアクティブ率をあげるためには、頻繁なアップデートとユーザーフォローが大切。 Touch The Numbersでは、一年に20回のアップデートを行っている。 ランキングの上位ユーザーを招待して渋谷でオフ会を行って、その様子をUStreamするなどのイベントを開催し、いろいろな手段でユーザーのもりあげをはかっている。 (なお、こんなマーケティングは日本市場のみでとられているため、Touch the Numbersのユーザーの8割は日本市場だそうです。)

また、アプリにGoogle Analyticsを埋め込んであり、情報収集に役立てているとのこと。 (詳細な収集内容はお聞きできませんでしたが……。)

利益をあげるためには、毎日10万インプレッションくらいを一つの目標とするのがよいでしょう、とのことでした。

広告モデルの向き不向き

広告モデルにむいていないアプリもあり、その場合にはアプリやマーケティングをいくら工夫しても収益をあげるのは厳しい。 Touch The Numbersは、企画当初から広告モデルを採用するということを前提に設計している。

カメラアプリに広告をいれてみたこともあったが、収益はかなり苦しかった。 電車の中などで(周りの目がきになり)なかなか起動できないということもある。 中毒性のあるアプリが広告モデルに最も向いている。

また、広告モデル向きのアプリジャンルと広告モデル向きでないジャンルがある。 ゲームは向いている。

広告モデルへ移行する場合

無料アプリにいきなり広告をいれるとApp Storeのレビュー欄が荒れてしまう。 もし無料アプリに広告をいれるなら、最初は自社広告などでユーザーに慣れてもらいながら移行するのもよい手かもしれない。

ただし、この一年くらいでユーザーのモバイル広告への嫌悪感はずいぶんと減っていると実感している。

AdMobからの入金

AdMobからの入金方法はPayPalか銀行振込が選べる。 銀行振込だと着金手数料がこちらの負担になってしまうが、PayPalの場合にはAdMobが負担してくれる。 (テクノードでは、PayPalを採用。) ただし、PayPalの場合為替変換レートが市場より3%くらい悪い。 小額なら、PayPalのほうが特になるが、500万円くらいがしきい値になるのではないか。

まとめ

私もお仕事で「無料アプリ+広告」モデルのアプリを経験したことがあって、安定した広告収入を得るのはかなり難しいものだということを実感しています。 PaperTossやAngryBirdが広告で数億円儲かったみたいだから今売っているアプリにも試しに広告をいれてみよう!みたいな単純なノリで始めても難しいということがよくわかりました。

広告モデルをターゲットにした緻密なUI/デザイン設計とユーザーの期待にこたえるきめ細やかなアフターフォローがだいじですね。

テクノードさんから学んだ事まとめ

  1. アプリの設計段階から広告に特化して設計すること
  2. 頻繁にアップデートをして、ユーザーの希望にこたえること
  3. 目新しい仕組みやイベントを用意して、ユーザーに継続して使ってもらうこと
  4. 継続的にユーザーの使用状況をチェックして、効果的なアクションを起こすこと