最近はiOS開発現場でもXcode4からXcode5への移行がすすんできました。 Xcode5ではUIも含めていろいろと変わった部分がたくさんありますが、実は日本語変数名が使えるようになっているんですよ。
Xcodeのコンパイラの歴史
Xcodeで使えるコンパイラは、古くはgccのみとなっていました。 3系あたりでLLVMコンパイラが導入され、さらにその後ARCの導入に伴い、3.2系あたりからClangが導入されています。 Xcode上で「Apple LLVM Compiler」と表示されているのがClang、「LLVM gcc」と表示されているのがLLVMコンパイラです。
デフォルトのコンパイラも時期によって異なり、Xcode3.2ではgcc(4.2)でしたが、Xcode4.0ではLLVM(4.2)、Xcode4.6ではClangとなっていました。
Clangというのは、Appleも参加しているC系言語(C、C++、Objective-C、Objective-C++)向けのオープンソースコンパイラです。 ARCの機能はこのClangで実装されているので、Clang以外のコンパイラではARCを使うことはできません。 Xcode4系ではLLVMとClangからコンパイラを選ぶことができましたが、Xcode5からは、Clangしか選ぶことができなくなっています。
Xcode5のコンパイラ
最新のXcode5系には、2013/6/17にリリースされたClang v3.3をベースにしたコンパイラが入っています。(英語版Wikipedia:Xcode)
Clang 3.3のリリースノートによると、3.3の新機能は、識別子にUnicode文字が使用できるようになったこと、です。
日本語の変数名を使ってみました
さっそく、日本語を使ってみましょう。 こんな感じで日本語の変数名を使うことができます。
Fast Enumurationも日本語だとちょっと違う感じ。
もちろん日本語だけじゃなくて、ほかのUnicode系文字も可能です。これはタイ語。
韓国語も。
正直、明日から日本語の変数名を使おうと思うほどではないんですが、試してみるだけならちょっと楽しいです。 エンジニア以外の人にプログラミングを教えたりするときなんかに使ってみてもいいかもしれませんね。